失敗しないシステム開発会社の選び方
失敗しないシステム開発会社の選び方を解説。実績・技術力・業務理解・体制・経営の安定性の確かめ方、担当者との相性を見る質問例、避けたほうがよい会社の特徴を紹介します。
システム開発会社の選び方を間違えると、費用も期間も取り戻せません。とはいえ、初めて外注する担当者にとって、どこを見れば良い会社かを見分けるのは簡単ではありません。この記事では、失敗しないシステム開発会社の選び方として、実績・技術力・業務理解・体制・経営の安定性の確かめ方、担当者との相性を見る質問例、保守まで任せられるかの確認、避けたほうがよい会社の特徴を紹介します。
システム開発会社の選び方:5つの観点と確認方法
開発会社を比べるときは、次の5つの観点で確認します。会社のWebサイトに書いてあることだけでなく、商談や提案の場で中身を確かめるのがポイントです。
実績は「中身」まで確認する
実績の一覧に似た業種名があっても、それだけで判断するのは危険です。一般消費者向けと書いてあっても、実際は企業向けのシステムだったということもあります。誰が使うシステムだったのか、その会社がどの工程を担当したのかまで聞いてください。
技術はロックインされないかを見る
特定の会社しか保守できない独自の仕組みで作られると、後から別の会社に移るのが難しくなります。広く使われている技術か、ソースコードや設計書を受け取れるかを確認しましょう。詳しくはベンダーロックインを避ける方法で説明しています。
体制は名前と稼働割合まで確認する
提案書の体制図に役割が並んでいても、実際に誰がどのくらい関わるかは書かれていないことがあります。PM、設計、エンジニア、テスト担当のそれぞれについて、担当者の名前と経験、案件にかける時間の割合(全稼働か半分か)を聞いてください。窓口が営業担当なのか、開発を分かっている人なのかも大切です。要望が正しく開発チームに伝わるかどうかが、ここで決まります。
経営の安定性は公的な情報も使う
会社の基本情報は、経済産業省のgBizINFOで、法人番号をもとに届出・認定や補助金、調達などの情報を確認できます。情報セキュリティの管理体制を重視するなら、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の有無をISMS-AC(情報マネジメントシステム認定センター)の公開情報で確かめる方法もあります。
担当者との相性を見極める質問例
開発は数か月から1年以上続きます。担当者と話が通じるかどうかは、選定の大事な要素です。商談で次のような質問をしてみてください。
- 「この案件で、一番難しいと思う点はどこですか」
- 「私たちの説明で、分かりにくかった点や足りない情報はありますか」
- 「予算内に収めるとしたら、どの機能を後回しにしますか」
- 「進め方で、発注者にお願いしたいことは何ですか」
- 「過去の案件で、うまくいかなかったことと、その後どう対応しましたか」
良い担当者は、できないことや分からないことを率直に伝え、代わりの案を出します。何を聞いても「できます」と答えるだけの場合は、後から認識の違いが出やすくなります。業務について的確な質問を返してくるかも、業務理解を測る目安になります。
開発から保守まで任せられるかの確認
システムは作って終わりではありません。公開後の不具合対応、OSや部品の更新、機能の追加が続きます。開発会社を選ぶ段階で、保守まで任せられるかを確認しておきましょう。
- 保守契約のメニューと、月額費用の目安
- 不具合の連絡を受けてから、最初の回答までの時間
- 納品後、無償で不具合を直してもらえる期間
- 担当者が替わったときの引き継ぎ方法
- インフラ(サーバー)の運用まで任せられるか
保守費用の考え方は保守運用費の記事で詳しく説明しています。開発費が安くても、保守の条件が合わなければ長期的には負担が大きくなります。
避けたほうがよい会社の特徴
次のような特徴がある会社は、慎重に判断してください。
- 見積の根拠を説明できない: 「一式」のままで、工程や工数の内訳を出せない。
- 何でも「できます」と言う: 難しい点やリスクの説明がない。
- 担当者が誰になるか分からない: 契約後に経験の浅い担当者に替わることがある。
- 極端に安い: 必要な工程が抜けていたり、後から追加費用が出たりしやすい。
- ソースコードや設計書の扱いが曖昧: 将来の乗り換えや改修が難しくなる。
- 質問が少ない: 業務を理解しないまま作り始め、手戻りが起きやすい。
見積の読み方はシステム開発の見積書の見方を参考にしてください。
受託開発の現場から
開発会社が提案するときによく示す観点から、発注者が会社を選ぶときにも使えるものを紹介します。
- 「すぐ人を出せます」は確認が必要: 経験のあるメンバーを確保するには、他の案件との調整が必要です。「人が出せます」と即答されたら逆に注意が必要だ、という見方もあります。着手時期と担当者を具体的に確認してください。
- 事業づくりの経験があるかを見る: 開発会社の強みとして、AIを使いながら自社サービスを作ってリリースしてきた経験や、新規事業のリスクや段階に対応できる人材構成を挙げる会社もあります。新規事業の発注では、開発だけでなく事業づくりの経験があるかを見るとよいでしょう。
- 提案書に入れている評価観点: ある受託開発会社の提案書では、ロックインされないオープンな技術構成、国内でのデータ管理、類似事例、経験者のアサイン、ISMSの取得、自動テスト、納品後12か月の不具合対応、問い合わせへの1営業日以内の対応などを示しています。これらは、発注者が会社を比べる観点としても使えます。
- AIを使う場合はレビュー体制を確認: AIでコードを書く場合も、経験のある国内のエンジニアがAIの設計品質のばらつきを確認することを、体制の条件にしている会社があります。AI活用をうたう会社には、品質をどう確かめるかを聞いてください。
まとめ
- 実績・技術力・業務理解・体制・経営の安定性の5つの観点で、中身まで確認して比べます。
- 担当者との相性は、難しい点や分からない点を率直に話せるかで見極めます。
- 保守の条件や対応時間まで、選定の段階で確認しておきます。
- 見積の根拠を説明できない、何でも「できます」と言う会社は慎重に判断します。
どの会社に相談すればよいか分からない段階でも、案件を整理しておけば比較がしやすくなります。FastProposal の無料AI相談なら、案件の内容と費用の目安が数分で分かります。